いろんな言葉 [ちょっとまじめに]
今日、くろすけと少しメッセンジャーで会話をして今日の夕方に除草剤をまくという話をしていました。
化学物質に弱いわたし(香水や殺虫剤や樟脳が駄目)をくろすけが心配するので
だいじょうぶだよ。こなをみずにといてじょうろでまくから。
と入力して変換したら
大丈夫だよ。粉を水に溶いて如雨露でまくから。
如雨露・・・! 如雨露!
こんな漢字を書くなんて知らなかった。雨露の如し。きれいな言葉ですね。音はいまいちだけど。
下の記事でくろすけが自分を「だんな」と言っています。実はわたしはこういう表現には異議ありです。くろすけもそれを知っているので「(?)」がついているわけです。
同じ女性同士のカップルとはいえ、自分達のセクシュアリティーの位置づけはそれぞれのカップルで違っていると思います。
わたし達の場合、タチネコの区別はかなりはっきりしているのですが、お互いが女性であるというのが前提になっています。どちらかが男役とかいうのではなくて。あ、この言い方には語弊があるかもしれません。女性であることを強く意識もしていません。同じ性なので性の違いを二人の間で意識することがないという感じに捉えていただけるとうれしいです。
なので、そういう関係を表現するときに性の違いがあることを意識的に前提としているヘテロの関係性を表す言葉をそのまま持ってくることがなんとなくいやなのです。
ヘテロの関係性の言葉なんて男尊女卑の温床よ!と、フェミニズムばりばりで主張する気はないのです。
ただ、なんというのかなー。ポスト構造主義とかポストモダニズムが出てきたとき、新しい言葉でもって社会現象を語る、そのために新しい言葉を作り出す、という興奮のはじっこにぶら下がっていた楽しさが今も記憶に新しいのです。また、フィリッチョフ・カプラの「タオ自然学」をはじめて読んだときの興奮も忘れがたいです。
同性愛、ことにメディアへの露出や、映像媒体・文字媒体で表現されることが比較的少ない女性同士の関係を表現するときに、すでにある手垢のついたヘテロの関係性のアナロジーで表すのはもったいない・・・もったいないお化けがでるぞ・・・って感じなのです。
同性愛が可視化されつつある今と、広くブログなどで多くの人が表現をできるようになった今。このふたつの今がエレクティブアフィニティーとして同時に存在したのですから、この機会に自分なりに自分達の関係性を表す言葉を獲得するのも悪くはないような気がします。せっかく新しいものを新しい言葉で表現する機会が与えられてその現場にいるんだから、それをめいいっぱい楽しんじゃおうよ、って。
そういうわけで、くろすけをあらわす言葉を考えてみると・・・
パートナー: ま、普通の感じで。
ガールフレンド: 英語の時にはこういっています。日本語の「彼女」かな。
相方: 渋く迫ってみる。
ツレ: 関西弁の親友。連れ合いに通じるかな?
タチの君: 笑。
くろすけを「タチの君」と呼ぶことにすると、わたしは「ネコの妹」。ネコのいも。
ネコ芋。
うーむ。いいえて妙だな(笑)。
ほかのカップルさんはお互いをどんな風に表現しておられるのかしらん? なんかいいご提案はありません?
僕はね、ほかの人にしのの話をするときは「彼女」っていってる。相方とか連れとかより性別が入ってきた方が説明の手間が省けるから。笑
だからー『奥さん』っていいたいんだよー。そうしたら、パートナーが女性で、結婚してるって、一石三鳥じゃないかー。
by くろすけ (2007-08-23 00:56)
この、低燃費節約型地球に優しい怠け者め!
by しの (2007-08-23 00:57)
如雨露・・・アタシも早速変換してみました。
何て素敵な変換、ウットリ(*/∇\*)
うーん、深いっ。
我が家ではアタシは彼のことを話すとき、
彼の名前を知らない人には「旦那」って呼称だなぁ~、一番しっくりくるかも。
相方とか言う人もいるけれど、これは逆に抵抗あるかなぁ~。
「お笑い芸人」じゃあ、あるめーしって感じかなぁ。
逆にアタシが呼ばれるのは、「コレ」「アレ」「ブス」・・・。
いやぁ~、アタシも決めるぅ~、こんなんじゃイヤァ~(;o;_;)o
でも浮かばない、「素敵なハニー」って呼ばれたいけど、死んでも呼ばなそう。
『タチの君』・・・ステキ♪
by adejyo (2007-08-23 06:14)
ネコ芋笑っちゃいました!
でも、絵が可愛いっ!
葉の茶は、カムしていないんですよね。
でも親しい職場の友人や社外の友人にはモモちゃんの名前をそのまま
伝えている。そういう風に話していることで、少し私の好きな人の存在を
知ってもらえればと思ってのこと。
またブログの中ではご存知の通り、彼女やモモちゃんで通っていますが、
過去ログの中では自分の存在を僕と書いていることもあります。
そうは書いていても自分の性別は女性なので、あくまで文章の中での
言葉だけ。僕と書いても呼んでも自分の中で女性という事実は、
消せないし消したいとも思っていない。
その言葉で書くことで、いかに自分の気持ちを相手に伝えるか。。
なんだか、そんな気持ちも含まれて使っていましたが、使っているだけで
気持ちまでは男性になれない。
なるつもりもなかったと言ったところでしょうか。。
それは、これからも同じ気持ちで、男性になりたいとも思っていないし
このままの私でいたいなって思っています。
今の表現的に言葉にするなら、「彼女」
これが一番シックリきます。
第一に女性だし一般的に仕事の中でも、職場の同性をさすときにも使うし
使ってて違和感がないんですよね。。
けれど「タチの君」って呼ばれると平安かかった感じでカッコイイ~。
by 葉の茶 (2007-08-23 07:20)
> adejyoさん
如雨露、とても情緒があっていい言葉です。こういう言葉を見つけると本当に日本語ってきれいだなって思います。それで、自分なりに美しい日本語を書きたい・・・って思うんです。
その一方で恋人に関する表現って日本語ってけっこう貧困かも・・・。平安時代とかは古典を見ても豊かなんだけど。まあ、タチの君は情緒あるけど実用性ゼロですね。笑。
英語だとハニーとかダーリンとかいろいろあるし。わたしが好きなのは、ロシア語のラープシュカです。「らーぷ」というのがネコの手という意味で、そこに愛称形の語尾をつけて、かわいいにゃんこの手=ほんとにかわいい=だいすき=わたしの恋人、という意味なのだそうです。
でもねー、日本語で「ネコの手」なんていっても意味ねーし。
自分達にしっくり来るのがあるといいんだけど。旦那って言うと元夫を思い出しちゃうし。
adejyoさんを「コレ」「アレ」「ブス」って呼ぶなんて・・・! ピンクのネグリジェで市中引き回しののち東急ハンズでのりピーグッズ(ふるっ)を買って来いの刑だわ。
by しの (2007-08-24 03:43)
> 葉の茶さん
ネコ芋。久しぶりにくだらない駄洒落でらくがきしました。自分でも思いがけなくかわいいので笑っちゃった。
カミングアウトは微妙な問題ですねー。わたしも敢て自分のセクシュアリティーを宣言するんじゃなくて、くろすけの名前や性別をはっきりさせる感じにしています。大切な人がいるんだなってわかってもらえれば、そのうちいろんなピースが当てはまって、あ、そうか、ってわかるでしょ、って感じ。
女同士のカップルとはいえど、片方が男になりたい、というカップルもあると思うんです。そういうところではヘテロの関係性を表す言葉を使うことがお互いのアイデンティティーの確立にとって大事なんだろうな、と思います。
うちはくろすけもわたしも葉の茶さんと同じで男になりたいとかそういうのはないのです。くろすけの一人称に関しては、男になりたいのではなくある種の精神のあり方を示しているので(それについてはくろすけがそのうち書くのでは、と思います)。そういう二人の関係を示す言葉って・・・ないですよねー。
まあ、やっぱり、「彼女」あたりが一番無難なのかもしれません。使いやすいし、口にしやすいし。相手の性別もはっきりさせられるし。
タチの君。笑。十二単のお姫様と、縦烏帽子をつけた白拍子の恋って感じで。そういうのって絶対にあったと思うんですよね、平安時代に。妄想中・・・。
by しの (2007-08-24 03:45)
私も、今までなんだかわからないけど違和感がある、と思っていたことなのでこうして文章にしてもらえてすっきりしました。なんとなくだけど「旦那さん」や「奥さん」的な表現をされることに抵抗があったんですよね。同じく、フェミニズムがどうこうって訳ではないんですが、自分達にはしっくりこないというか、それだけで。私はブログなどでは「彼女」と表現しています。ぬれこぶたさんのところの「カノ」もいいなーと思います。「相方」はたまに使うけど「パートナー」は関係性としてはいいけど、実際に使うのは面映い感じ。でしょうか。ウチは付き合いが長いのですが、それでも「連れ合い」というのもいまいちしっくりきません。カミングアウトをしていないので、共通でない知人の場合「恋人」と言っています。なんにせよ、けっこうむつかしいですね。タチの君、雅びな感じでいいかも(笑)
如雨露といえば、目詰まりしなくて、先だけはずして洗ったり手入れができるやつがほしい、とウチの彼女がなにやら必死で探していました。ごはんの用意か植木に水やりかどちらかしかする時間がなければ水やりをとる人なんです(笑)。
by air (2007-08-24 14:28)
> airさん
わたしも違和感があって、なんでかなあってぼうっと考えていて急に気がついたことなんです。なんで同性なのに異性関係を表す言葉をわざわざ使うんだろうって。
連れ合い、という言葉を聴くと、ついつい「昭和枯れススキ」の世界を思い浮かべてしまいます。笑。いったいわたしの年齢はいくつなんだって気がしますが。彼女、って言うのがなんといっても一番使いやすくてなじみやすくていいんだろうなー。
書き言葉なら、恋女と書いてこいびとと読ませるとかできそうですが、話し言葉で、となるとなかなかないですね。タチの君はみやびでいいんだけど。これ、実際に使ったらかなり恥ずかしいですよね(笑)。くろすけには、「タチの君って呼ぶんだったら、しのを『イモ』って呼ぶからね」といわれてしまいました。
うちの人、なんていう言い方も所帯じみてるし。
わたしが使っている如雨露は先が取り外し可能で、いろんな形のものを買ってきて目的に応じて取り替えられるようになっています。一体成型のだともれなくていいんだけど、先が取り替えられるのは便利ですよね。
by しの (2007-08-25 00:45)