あじまみれ

アジを釣りに行きました。

といっても、くろすけがすべてお膳立てをしてくれて、わたしは出発の朝にかばんにおやつのホームパイと魚肉ソーセージを入れただけ。

前日はアウトレットモールに行ってぶらぶらしたり、カニ料理を食べたりしてすごし、夜はマリーナを窓の外に見るホテルに泊まりました。建物がビルになっているのではなく、一部屋一部屋が独立した建物になっていて、なかなかよかったです。

翌朝は、5時起床。台風接近中。大雨。




でも、なぜか中止という考えが全くないまま、船宿へ向かったのでした。もしかしたら、ほかにお客さん来てないかな～なんて思いつつ行ったら、あらびっくり。かなりの人数がいました。しかし、皆さんは鯛とかそういう大きいのを狙っているらしく、アジはわれわれふたりだけ。

とにかく雨がものすごくて、われわれが用意していた雨具ではどうしようもなく。船宿でカッパやら帽子やら借りることに。長靴だけは買っていったんですけど。

しかも。駐車場がちょっと遠くて、そこにとめた車の中に朝ごはんを忘れてきてしまったのです。近くにはコンビになどなし。どうしようかな～と思っていたら社長(と皆に呼ばれていたおっちゃん)がコーヒーを出してくれたので、たくさん砂糖を入れて飲みました。

そうこうしているうちに出発。

仕掛けは簡単。テンビンに錘、針三つ、コマセ入れる針金のかご(？)。

つり方も簡単。餌(生きてる足がたくさんある桃色っぽい長い生き物)を適当に指でちぎって針につけてどぼんと海に落として下についたら、リールを二回巻いて竿をふりふり。コマセが撒けたな～って感じがしたら、もう二回リールを巻き上げてあたりを待つ。2分待ってもだめならはじめから繰り返し。

入れてすぐにぴぴぴっとあたりが来ました。なかなか興奮しますね。この糸の先においしい生き物がいる、という生命の実感とでも申せましょう。引き上げると針の先で暴れるアジ。それを思い切ってぎゅっと持ってやるととたんにおとなしくなるあたり、越後屋に帯を解かれた18娘のようにかわいらしい。ほほほ。今夜はしっかり食べてあげるわよ。

雨に降られてびしょぬれになり、コマセをがんがん突っ込むので手はいわしのミンチまみれ。はじめはちょっと気持ち悪かった餌も慣れれば平気で指を突っ込んでつまんでぷちぷち切ってしまえるし。

釣れたアジはバケツの中で生かしておいてもいいらしいのですが、よくわからない二人はがんがん氷の入ったクーラーボックスに突っ込んで野〆をしていました。

アジの腹には鋭いはらびれがありまして、アジを握るときに油断をするとそのはらびれで指をぶすっと突かれてかなり痛かったです。あの腹びれって何のためについているんでしょう？　自分を釣った釣り人に復讐するため？　くろすけは

｢大きな魚に食われたときに相手の口を刺すのでは？｣

といっておりました。

そうそう。

くろすけは、帽子をかぶったりカッパを着てフードをかぶったりすると、もともとの小顔がさらに強調されてめっちゃかわいいんですよ。なんなの、あのかわいさ。しかし、そんなくろすけに萌え萌えしている暇はないアジ釣り。とにかく忙しい。しかも、釣れちゃうと新しい餌をつけたりするために手元を見ないといけなくて、そうするととたんにおそってくる船酔い。あー、きもちわるー、ちょっと遠くをみて休みたいわーと思うときに限って、あたりがばんばん来てしまって、一気に二匹つれたり。

おなかもすくし、気持ちも悪いし、アジも十分に釣れたので引き上げることにしました。手も海水と雨でぶよんぶよんにふやけています。そんで魚くさい。

船宿に帰って、アジをその場で二匹さばいてもらって食べたら、とてもおいしかったです。一応、アジくらいは三枚におろせるのですが、船長さんにやり方を見せてもらって復習をしておきました。

家に帰る途中で、くろすけの用事でよったところの駐車場に猫がいたので猫にアジをあげました。釣りたて新鮮、おいしいよ。

しかし、猫はぺろぺろとなめただけで、こんなんいらん、とアジの横であごを掻いています。どうも釣りたてはたんぱく質の分解が進んでいなくてあまりにおいもしないし死後硬直が始まったばかりで硬いのでおいしくないらしい。たしかに、わたしも翌日食べたアジの刺身のほうがおいしかった。新鮮であればあるほどいいわけじゃないのね～。

で、家に着いたのが18時過ぎ。そこから、雨と塩でぐちゃぐちゃになったカッパやらタオルやらを洗濯して、自分たちもきれいにして、いろいろなものを片付けて、くろすけがアジを三枚におろしたり開いたりして晩御飯は新鮮アジを食べて。残りのアジも頭を落として内蔵を出してよく洗って拭いて冷蔵庫にしまって･･･気がついたら12時を過ぎていました。

いや、釣りってハードなスポーツですな。そりゃ、釣り人の奥さんはだんなが釣るだけ釣ってきて後の処理は丸投げされたら怒るわけだよ。

翌日は冷蔵庫に入れていたアジを片っ端からわたしが三枚におろし、くろすけが皮をむきました。一部は刺身にして、一部はアクアパッツァにして、ムニエルにして食べ。残りは塩と酢で〆て保存。

塩と酢で〆たアジは5日後くらいに押し寿司にして食べたらおいしかった。

そんなわけで、ここしばらくうちはアジ祭りを開催しておりました。今日の晩御飯で最後の〆アジを食べて、アジ祭りは終了。

･･･あ、しかし。冷凍庫の中に中骨なんかを冷凍してあるんだ～。骨せんべいにしようと思って。明日は骨せんべいを作って、それをつまみに焼酎でも飲んでアジ祭りの後夜祭かねえ。

コメント 4

もうすでにまた行きたい！
サカナさばくのたのしい！
今度はキス釣りたいよう！！
by くろすけ (2011-06-07 20:44) 

キスは･･･食べるのが楽しくなさそう･･･。
わたしのキスでがまんしてくらさい。
by しの (2011-06-08 07:23) 

鯵を釣ったなんてすごいです、いいな～。
写真はないのですか？？？見たい！！

だけどしのさん、
>越後屋に帯を解かれた18娘
なんて・・・時代劇の見すぎです。笑
想像しちゃった自分も自分ですが。
by 花太朗 (2011-06-11 15:21) 

花太朗さん、

写真はないのです。
なんせすごい雨(台風)だったのでカメラを出す暇もなく。
帰ってきてからは、捌くのと食べるので精一杯。笑。

時代劇、いいですよね～。
NHKの大河ドラマは見ないけど、
必殺仕事人とか銭形平次とか。
一番すきなのは大岡越前。
時代小説も大好きです。笑。
by しの (2011-06-11 22:21)