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これからも [好き]


はじめて会ったときから好きだったよ。

どきどきした。17歳のときみたいに。

今でも同じようにどきどきしてる。

でも、もっともっと好きになった。




それが、年の功というものでしょうか。




そうだとするのなら、歳月を重ねるのはとてもいいね。




                                                       しの


街でも海でもどこでも [追想]


僕の後ろに乗りなよ。

岬へ行こう。

猫がたくさんいるんだ。

きっとしのは気に入る。

僕にしがみついて

手をはなしたらだめだよ。
















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今日は雨が降ってる。

一年前の今頃、僕は炎天下でバイクを洗っていた。

しのに会ってから一年が経つね。




ころころかわるしのの表情に

僕ははじめからみとれていたよ。


髪が・・・ [好き]


最後に髪を切ったのは

最後にくろすけに会ったとき。




あごのところで切りそろえた髪が

もう、肩にとどきそう。




暑い日が続いて

首筋で髪がうっとうしいので

後ろでまとめてあげている。




短い髪が好きで

いつも短くしていたけれど・・・




切ろうか・・・

切らないでいようか・・・




迷うふりはしているけれど

やっぱり切らないで

長く伸びる髪を

今年の夏はもてあますんだろう。




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そして、削除のボタンも押せないまま。

ごめんね

いつもわがままを言って

くろすけを困らせて。

本当はわかっているのに。

                                                    しの


約束 [好き]


夏に彼女のところへ行くと約束している。

仕事が終わる見通しはまだない。

彼女はそんな状態には耐えられないという。




もう僕は来ないことにする。

メッセンジャーも削除するし

メールももう書かないという。




僕の声の残るプログラムを彼女は本当に消してしまうのだろうか。

そんなことがなんだか気にかかる。










いままでにもっとよりよい道を選ぶことはできたはずだけど

選ばなかったのは僕で

とにかく僕はいま僕にできることをするしかない。














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同時に




僕の好きは本当の好きじゃないって泣く彼女の言葉を

深く受け止めることだけが

僕の唯一の特技なのに




いまは彼もできるようになったのなら

僕はもういらないのだろうかと

そんな不安を抱えている。


やさしさ [ちょっとまじめに]


絶対に誰のものにもならない。

絶対に理性をなくさない。




毅然として顔を上げて

誰のことでも正面から見て

自分の足で歩いていこう。




・・・そう思っていた。




わたしはそんなにたいしたヒトではない。

どちらかというと、

あかんたれの

甘えたの

いちゃびりだ。




でも、そんな自分でいては、世間様から冷たい目で見られるし、誰からも受け入れてもらえないことも知っていた。感情的に不安定で、甘えからめちゃくちゃなことをしてしまうようなヒトは、うっとうしがられるだけ。




だから、無条件に受け入れてほしいとか、相手から自分に与えてほしいものをわがままに要求したり、相手から無条件に自分に欲しいものが与えられることは、あきらめていた。




ほしいもの・・・別に、アクセサリーとか、ハンドバッグじゃない。そんなもの、いらない。わたしがほしかったものは、「あなた」に都合のいいわたしのある部分だけを受け入れることではなく、「あなた」にとっては不愉快であるかもしれない部分までわたしの一部として受け入れてくれること。そのままのわたしを受け入れてくれること。わたしにどうあってほしいと要求をしないこと。そして、ゆっくりと変わって行くわたしを信じてくれること。




でも、そのままのわたしでは、だれも受け入れてくれなかった。




だから、わたしは誰のものにもならなかった。・・・ちがう。ならなかったのではない。なれなかったのだ。わたしの一部を否定されたまま、誰かのものになることはできない。




一度でいいから認めてほしかった。誰でもいいから認めてほしかった。




甘えたの、あかんたれの、いちゃびり。




そういう部分を出してくると、目をそむけ、わたしを否定してきた人たち。わたしが求めた人たちはわたしに理知的であることを求めてきた。だから、理性で己を常に律してきた。




でも、それはわたしじゃない。「あなた」がほしいと思っている架空の誰か。だから、そういう誰かほかの人が現れたら、「あなた」はわたしをその「誰か」と交換するんだろう・・・。わたしはそういう「あなた」にとって交換可能なある条件を備え持った「誰か」に過ぎないのだ・・・。




その恐れが、ますます誰かのものとなることを、わたしに拒否させた。




でも、くろすけは違ったね。

ぜんぜん違った。




わたしにどうあってほしいと要求をしなかった。

くろすけはわたしを求めてくれた。




生まれてはじめて、やさしさの意味を知ったよ。




だから、すべて預けていいなりになれる・・・。




                                                    しの


ひとりえっち [触れる]


彼女が自分の場所へ帰ってしまってから

ふたりの間を一日に何度もメールが行き来した。

(いまはメッセンジャーにかわっているけど。)




僕は経験したことのない喪失感に 不安で

こんなに触れたいのは僕だけなんじゃないかって。




そんな気持ちからすれちがって

苦しい日々を何日かすごした後に

彼女に聞いた。




僕と別れた後に

僕に触れたいと思って濡れたことはある?








あるってひとこと聞けたら

それが僕の自信になるだろうと思ったから。




彼女は恥ずかしがりながらも

我慢できなくてひとりでしたことを教えてくれた。




僕の指を受け入れたくて

自分の指ではいやで

銀色のペーパーナイフの滑らかな柄を

僕の指のかわりにしたんだって。








それは僕の予想していなかった返事だった。




僕は彼女が僕とのことを思い出すことはあっても

彼女の理性はそれを簡単に御してしまうだろうと思っていた。

自分で慰めているとは思っていなかった。




そのとき僕が思っているよりもずっと深く

彼女のなかに受け入れられていたことを知った。












結構はじめのうちからいじめられるの好きだなーとは思っていたんだけど

彼女にM性があると思ったのはこのときかなー・・。

それまでは比較的理性的にいじめられていると思っていたから。




さすがにペーパーナイフは彼女を傷つけてしまいそうで不安なので

(9月に会ったときにどうやってしているかをみせてもらったんだけど)

いまは違うモノをいれるようにしてある。


いいなり・・・ [艶色]


急激な時間の変化についていけなくて、

ふらふらしている頭を抱えながら

残暑の中、くろすけと再会したね。




空港でも車の中でも恥ずかしくて、顔が見れない。

わたしの部屋についてからも、離れて座った。




とにかくシャワーを浴び。

でてきたらソファーの上でくろすけはごろごろしてて。




わたしの名前を呼びながら、そうっとキスをしてくれた。




照れながら、疲れているから昼寝すると

子供みたいな下手な言い訳をした。

添い寝っていいだしたのはどちらだったのか。




そして、明るい太陽の光の下で

くろすけに抱かれた。

深いところからこんこんとあたたかいものが

わきあがりわきあがり、

こんなにもくろすけを求めていた・・・とわかってもらいたかった。




でも、くろすけはいじわる。




自分で楽しんでこらん・・・

どうやっていたのか見せて・・・




恥ずかしくて、できずにいると




いうことを聞かない悪い子になったの・・・




って、やさしくやさしく聞いてくる。




言いなりになってしまう。

羞恥に身動きができなくなりそうになりながら。




                                                  しの


月の光 [触れる]


十五夜の月の光に浮かぶしのを思い出す。




しのは自分の手で脚を拡げて

無防備なしろいからだを僕に晒す。




僕はしのを思い通りにする。




秋風にまぎれるようにして

指先で全身をなぞる。




恥ずかしそうに

隠れることもできずに

きつく目を閉じて

苦しそうに息をつく。




僕の指を奥まで受け入れて

何度も何度も身体をふるわせる。




背中をそらせて何度も高い声をあげる。




しの 手が離れてるよ




無表情な僕の声にしのは服従する。




もう一度脚に手をかけてまたすぐに波に沈んでいく。

深く浅く、しのの中を出入りする僕の指は折れそうなほどきつく締め付けられている。




僕もしのも月の光にひとつにとけてしまっているみたいだった。


さらさらと・・・ [艶色]


くろすけは優しい目をしていじわるをいう。




自分で足を持ってごらん。




うっとりとやさしく微笑みながら、耳にささやいてくる。

そんなことできない・・・とあがらいながら、いつも言いなりになってしまう。




いうことは何でも聞くっていったでしょ。




低い声でくろすけはわたしの左耳にささやきかける。

満月の光で淡く照らされたベッドの上で、

くろすけの言いなりに足を持つ。




恥ずかしくても自分の腕の陰に隠れることもできない。

露わになったわたしをくろすけは翻弄する。




何度も達して、許しを請うけれど

許してはもらえないまま

時間の経過もわからなくなる。




気がつくとくろすけがやさしくなでてくれている。

声を出すのも億劫で、

火照った体を冷ましたくとも

水を汲みに立つこともできない。




くろすけはやさしく水を飲ませてくれる。

くちうつしに冷たい水がのどから胸を

さらさらと冷やした。




******************

満月を見に行ったあとでね・・・。




                                                  しの


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