指輪 [ちょっとまじめに]
しのを抱いているとき
ときどき左手の指輪に目が留まる。
少しだけとげの刺さったような痛みを覚える。
しのは彼を愛しているんだっていう事実と
そんなふうにひとを愛してるっていえる彼女へのいとしさと
彼女の一部として彼を受け入れている、という確認。
今日、しのが結婚指輪を外したらしい。
ここ数日のもやもやとした感情は、彼女から彼を奪う彼の弱さに対して僕はおこっていたのだと気づいた。
だけど僕こそが彼女から彼を奪っている。
後悔でも謝罪でもない、曖昧な気持ち。
僕はしのに触れずにはいられなかった。
後悔なんてしようもない、謝ることなんかできない。
ただ、曖昧な気持ちのまま
もうあの痛みを感じることはないんだな、と考えている。
指輪 [ちょっとまじめに]
しのを抱いているとき
ときどき左手の指輪に目が留まる。
少しだけとげの刺さったような痛みを覚える。
しのは彼を愛しているんだっていう事実と
そんなふうにひとを愛してるっていえる彼女へのいとしさと
彼女の一部として彼を受け入れている、という確認。
今日、しのが結婚指輪を外したらしい。
ここ数日のもやもやとした感情は、彼女から彼を奪う彼の弱さに対して僕はおこっていたのだと気づいた。
だけど僕こそが彼女から彼を奪っている。
後悔でも謝罪でもない、曖昧な気持ち。
僕はしのに触れずにはいられなかった。
後悔なんてしようもない、謝ることなんかできない。
ただ、曖昧な気持ちのまま
もうあの痛みを感じることはないんだな、と考えている。