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牛筋カレー [温泉日記]

先日、マンションの「未来を考える会」があり、くろすけと一緒に出席してきました。

いつものごとく、実際の管理の運営や施設経営についての話ではきな臭い現世的な話が噴出。初めて参加した人が、「なんでこんなこと今頃話しているんだ、レベルが低い」と批判して、「この会は始まったばかりなんだよ!」とみんなが言い返したり。

しかし、話が温泉の話に及ぶと「源泉を持ってるんですよ」「それで温泉管理費がこれだけなのは破格ですよ」「普通のお湯なんて入っていられませんよ」などなど、温泉自慢が噴出。どうにもこうにも、このおかしなマンションを住人はみんなそれぞれの方法でこの建物を単なる入れ物として以上に愛しているようです。

その後、仲良くなったご近所さんにお呼ばれしていました。牛筋カレーをごちそうになったのですが、非常においしかったです。彼女は現地出身。旦那さんは東京で仕事をしていて、自分の家の話をするとみんなから無視されるんだよね~、とのんびりおっしゃってました。そりゃ、されるでしょ。仕事の前にひと温泉、うちに帰ってもうひと温泉、なんて話をしたら…。

二人の関係は、知り合って、くろすけに定職ができて経済的に安定したので同居しました、とそのまんまの説明。そこからどうそれを解釈するかは、ご自由にって感じですかな。

最近、わたしは自分のセクシュアリティーに対して割といい加減。てか、昔から、政治的ではなかったけど。

国際的に異性間の結婚みたいに、一つの国で結婚してたら世界中でその権利が認められるような制度が成立したらいいな、と思っています。が、国際的にすべての国で結婚という制度が同じわけではない(一夫多妻とか妻の権利がない国とかあるから)わけで。それに、離婚だって、例えば日本国内で離婚をしても、その結婚が他国内で認められたものだったら(結婚ライセンスとか発行してもらっていたら)、日本国内の協議離婚は認めない国も多いし。まあ、わたしにとっては必要な範囲ではくろすけの正式な権利が認められているので、それでいいや、と考えています。

なんだかんだ言って、国際的には「結婚」という制度さえユニバーサルではないわけで。国際社会というのはゆるい相互認識や「国際社会」という想像の内容を共有してなんとなく成立しているものなんですよね。異論はあると思うけど(経済システムとか、戦争とかそういうあたりで)。だから、特に民法的分野に関して今ある国家システムの上に立つ国際システムができない限り、同性間の結婚がすべての国で認められることはなかろうなー、と。宗教的な壁も高い国では本当に高いし。

国内的には、楽観的に同性婚が認められるのは時間の問題だろうと思っています。ものすごく時間がかかると思うけど。でも、ほかの国で認められつつあり、日本国内で自国で認められた経済的税的権益や法的権利を求める外国籍の人が増えてくるだろうし、国内経済的にも潜在的なマーケットとして同性カップルがきちんとある以上、認めないという逆行はよっぽどのことがない限り起きないんじゃないかな。そういう意味で、わたしは人間の進歩を信じているお馬鹿さんなのかも。というか、同性婚は認めないとか、処刑だとか言い出したら、日本の政治も要注意なんじゃないかな。まあ、そういう政治家を選んでしまう国民の一人であることに自分も恥じるべきだろうとおもうけど。というわけで、選挙には行こうと思います。真面目に。

社会的には、同性婚に対して好意的だったり嫌悪感を抱いたりする人がいて仕方がないよねって感じ。嫌悪感を抱くなとか、理解しろ、受け入れろ、と主張をしだすということは、異性愛主義者と同じファシズムだと思うのです。

前にも、どっかで書いたと思うけど、わたしは同性愛者であることは、くろすけという稀有なパートナーを得たという時点で生じたテンポラリーな自分の状態だとしか受け止めてないです。主張があるとすると、人は変わるもんだからどんな状態でもそれをありえないと却下しちゃいけないよね、というくらいかな。特に、同性愛に関して政治的な主張があるわけではないのです。なので、カミングアウトではなく、Openly gayという開かれた状態を目指しているわけです。そして、当然、自分が不利になると思われる状況においては自分のセクシュアリティーを明らかにしない権利も放棄はしていないのです。

でも、政治的な人のことも決して否定はしていないんですよ。わたしにはできないな、と思うだけです。昔は、政治的なアジェンダも持っていたことがあったけど、最終的には、わたしは自分が手に取って実際に顔を見合わせて声を聴くことができる範囲の人たちの幸せや安定を作りたいと、いろいろな活動を通して考えるようになったのです。そして、その自分の手が届く範囲ではできる限りのことをやっていきたいと思っています。

久しぶりに、マンションの住人達が高度に政治的な意図をもって動いている様子を見て、自分の立場について考えてしまいました。


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ちなみに、国内法の上に立つ国際法システムとして、EUのEuropean Court of Human Rightsはとても意味のある一里塚だと思っています。EU加盟国内で人権侵害が起きた場合、国内法の上に立つECHRによってEU全域で平等な人権が担保されるシステムじゃないかな。EUは経済面だけじゃなくて、こういう人権面における意味のほうが大きいのに、とわたしは思っています。


posted by しの at nice!(2)  コメント(2) 
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