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ひとりえっち [触れる]


彼女が自分の場所へ帰ってしまってから

ふたりの間を一日に何度もメールが行き来した。

(いまはメッセンジャーにかわっているけど。)




僕は経験したことのない喪失感に 不安で

こんなに触れたいのは僕だけなんじゃないかって。




そんな気持ちからすれちがって

苦しい日々を何日かすごした後に

彼女に聞いた。




僕と別れた後に

僕に触れたいと思って濡れたことはある?








あるってひとこと聞けたら

それが僕の自信になるだろうと思ったから。




彼女は恥ずかしがりながらも

我慢できなくてひとりでしたことを教えてくれた。




僕の指を受け入れたくて

自分の指ではいやで

銀色のペーパーナイフの滑らかな柄を

僕の指のかわりにしたんだって。








それは僕の予想していなかった返事だった。




僕は彼女が僕とのことを思い出すことはあっても

彼女の理性はそれを簡単に御してしまうだろうと思っていた。

自分で慰めているとは思っていなかった。




そのとき僕が思っているよりもずっと深く

彼女のなかに受け入れられていたことを知った。












結構はじめのうちからいじめられるの好きだなーとは思っていたんだけど

彼女にM性があると思ったのはこのときかなー・・。

それまでは比較的理性的にいじめられていると思っていたから。




さすがにペーパーナイフは彼女を傷つけてしまいそうで不安なので

(9月に会ったときにどうやってしているかをみせてもらったんだけど)

いまは違うモノをいれるようにしてある。


月の光 [触れる]


十五夜の月の光に浮かぶしのを思い出す。




しのは自分の手で脚を拡げて

無防備なしろいからだを僕に晒す。




僕はしのを思い通りにする。




秋風にまぎれるようにして

指先で全身をなぞる。




恥ずかしそうに

隠れることもできずに

きつく目を閉じて

苦しそうに息をつく。




僕の指を奥まで受け入れて

何度も何度も身体をふるわせる。




背中をそらせて何度も高い声をあげる。




しの 手が離れてるよ




無表情な僕の声にしのは服従する。




もう一度脚に手をかけてまたすぐに波に沈んでいく。

深く浅く、しのの中を出入りする僕の指は折れそうなほどきつく締め付けられている。




僕もしのも月の光にひとつにとけてしまっているみたいだった。


ちゅちゅちゅ [触れる]


彼女は口をすぼめて




ちゅちゅちゅ




って僕を呼ぶ。




猫を呼ぶのと一緒。




僕は何をしていてもかならず手を止めて彼女にキスをする。

会話の途中でも会話をやめてキスをする。




彼女はご満悦。




ちょっと口を尖らすだけで僕は彼女の思うまま。


誰も触れたことのない深いところに [触れる]


そのときは、抱いているうちにしのが後ろを向いたんだよね。




はじめて目にするしのの白い腰のラインにどきどきした。

今思えば僕の指から逃げようとしていたんだけど、そのときはまだしのは経験豊富そうに振舞っていてさ。後ろの経験もほのめかしていたから、後ろもして欲しいのかと思って。

しのも、僕が入り口を舌先で愛撫している間も入れた後も何にも云わないしさ。

小指だったけど勝手がわからなくて出し入れをし過ぎてしまって、抜くときも痛そうだった。

入れた状態でぐりぐりした方が良かったよね。




痛かった・・ってしのにいわれて




そうしたらもっとほぐさないとだめか。




って答えたら




調教するの・・・?




って。しばらくの沈黙のあとにしのは小さな声で聞いたんだよ。

そういうときの、恥ずかしくても自分が逆らえないことを知っている諦めを含んだ表情がすごく色っぽくてくらくらする。




その日の夜は、もっと時間をかけてやわらかくして、人差し指でしたんだよ。奥の方をかき回すとしのの体の芯に触れてる感じがした。そのときはしのもすごく感じてるみたいで。四つん這いで。恥ずかしそうなんだけど熱く湿って。ちょっと指を動かすだけで腰がびくんてなって・・。




誰も触れていないしのの部分に触れることができてすごくうれしかった。




きつく締め付けられる小指の甘い痺れをまだ覚えている。




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しばらく前にしのに出したメールにあのときのことが詳しく書いてあったね。笑


よこがお [触れる]


覚えているのは横顔ばっかりなんだって彼女がいう。

何かをじーっとみていて、それがわたしであって欲しいけどもしそれがわたしだったら覚えているのは横顔じゃないだろうって。




僕はしののどこもかしこも見つめていたのに。




しのはすぐに恥ずかしがって目を伏せてしまうから。




何度も達した後の火照ったからだに僕のひざが触れて、しのの腰が揺れる。




僕のひざにこすり付けてイクところみせてごらんよって

目を閉じたらだめだよって僕は云うのに




しのは目に涙をにじませてすぐに目を閉じようとする。




目を伏せて

上気する頬や

開いたままで時折喘ぎの漏れる口元や

汗の浮く額の白さを




僕はいつも見ていたんだよ。


ひざまくら [触れる]


彼女と知り合ってはじめての週末に僕らは彼女の部屋でお酒を飲んだ。僕はうかれてバランタインを飲みすぎ、ぐでんぐでんに酔っぱらって彼女を押し倒して口説いた。結局その夜は押し倒して彼女にたくさんのあざを作ってしまっただけで(ごめんね;)それ以上の行為はできなかったんだけど。

押し倒しただけで重罪なんですがー・・・。




翌朝彼女の部屋のリビングで目を覚ましたときには僕は記憶の大部分を失っていた。

彼女が僕の様子を見に来て僕が寝ているソファベッドに腰を下ろした。

顔を上げると彼女のひざが目の前にある。




いまでも何故そうしたのかわからないけど、僕はごく自然にそのひざのうえに自分の頭を乗せていた。




それは素敵なひざまくらで僕だけの場所だってすぐにわかった。
それまで感じたことのないやすらぎがそこにはあった。




彼女の手が優しく僕の髪をそろえる。




僕は彼女がそこにいることを確かめるように彼女の輪郭をなぞる。

彼女はやわらかく僕を受け入れてくれる。

そのままソファの上で長い間抱き合った。




服を着たまま、彼女のやわらかな胸や張り詰めた乳首に触れたり、膣に浅く指をいれた。そこはすでに濡れて溢れていた。彼女はその間ときおり短く喘いで僕にしがみついていた。




そのときはふたりとも女性とつきあったことがなくて、お互いの気持ちもはっきりわからなくて、行為がそれ以上先へ進むことはなかった。(それ以上ってどうしたらいいかもわからなかったけど・・)。




いまでははじめから彼女のことが好きだったってはっきりわかるけど、その頃の僕は恋人と呼ぶべき相手(みんな男性でした)はいても好きという感情を感じたことがなくて、そのときの感情がどういうものなのかわからず、行為の意味もわからないままで彼女を傷つけてしまった。




それでもとにかく、そのときのひざまくらは彼女が特別だっていうことを僕に教えてくれた。

僕がはじめてひとを好きだって感じた瞬間だった。

そのときはその感情をどういえばいいかわからなかったけど・・。




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わからなかった。なんにも。




でもね、本当はあの朝、たたき出そうと思っていた。そして、できなかった。ひざの上のくろすけの顔を見て。安心しきって。たどりつくべき場所にたどりつき、いるべき場所を見つけた穏やかさがあった。




・・・それで、訂正。




くろすけ、いい? あれは、わたしのバランタイン。

                 ↑ここの所有格に注目。




4分の3も飲んだ。ゆるせん・・・。




しの


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