伝えること

鬱がひどくなると表現をすることとか、伝えることがとても苦痛になる。自分が伝えたいことを言葉にして相手に手渡した瞬間、その言葉をどう解釈するかも自分の手から離れるからだと思う。そういう伝わらないもどかしさが自分のおかれた状況に対する無力感と一緒になってしまう。そういうわけで、ここしばらくくろすけにきちんと自分の状態や考えていることを伝えることができていなかった･･･と思う。

どうでもいいことならいくらでも書けるし、ほかの人に話しかけることもできるんだけど、大事なことに限って言葉を紡ぐことができない。

それでも、なんとかかんとか、がんばって伝えてみることにした。

信頼関係があっても、愛し合っていたとしても、二人は別の個体なのだし、分かり合えているということを前提に甘えていてはいけない、とふと思った。わかってくれているでしょう、といいつつ、伝えることをしないでいると、相手をとんでもなく深いところで傷つけてしまう。お互いがお互いにとって一番深いところに触れることができる関係だから余計に。

｢頼る｣という単純な言葉でも、その実際のあり方については人によって考え方も違うし、なにをもって頼るとするのかも違うと思うし、どういう頼り方をしたいのかもぜんぜん違う。たぶん、くろすけがわたしが｢頼れない｣と言ってしまったときに、どういう意味において頼れないといったのかに対して解釈がまったく違ったんだと思う。そのときに、自分の手を離れてしまった言葉に対して相手がどう解釈するのかは制御できない、とアカデミックになっている場合ではない。鬱だから言葉が出てこないと、めそめそしている場合でもない、と思ってみたりもした。

それで、くろすけがわたしたちがお互いを必要としていて他者から見るととても幸せなカップルなのだと客観的に確認させてくれて、ここしばらく少し気持ちが楽になっている。

コメント 4

ごめんね。
しのの状況を把握できないまま、しのの言葉に傷ついて取り乱してしまって、結局しのが頑張って自分の状況を説明してくれないと状況を改善できなかった。
しのがね、ある部分では頼ってくれてるのは知ってる。頼りない部分がたくさんあるのも・・。
でも、お互いがお互いのこと好きっていうことを信じられるから、少しずつの努力ができるんじゃないかって思ってる。
僕もなかなかうまくできなくて申し訳ないけど、お互いに少しずつ対応の仕方をわかっていけるといいな・・。
by くろすけ (2007-07-18 12:19) 

すこしづつね。
by しの (2007-07-19 01:24) 

書かれていらっしゃるように、「頼る」ってホントに難しい。

どこまで相手が自分に対して許容してくれるのか、
分からなくて、それが恐くて、悩んだりして。

でもいいんです、しのさん、いいんです。
これアタシの場合なんですけど、
「アタシは『鬱』だ、そしてあなたはアタシのパートナーだ。だからそれを超える何かをくれ。」くらいに
思うようにしました。
泣きたくなることもあったり、怒ったりもしたけれど、
今は近道だったのかもしれないと感じています。

誰かが自分を必要としてくれない、どんなに言葉をもらっても癒されない、
本当に嫌なところに「鬱」はアタックしてきます。
だから考えてください、そして何も考えないでください。
難しいこと言ってますね～、でも、多分、答えなんかないから。

我が家の旦那はアタシの「鬱」に真剣に向き合ってくれていました。
不器用な人なので、ホント、頼りなかったけれど、
良くなってきた今、確かに残るモノがある。

この人と一緒になれてホントに良かった、と。
by adejyo (2007-07-20 17:11) 

adejyoさん、コメントありがとうございます。
代理人のくろすけです。＾＾

鬱を経験された方の言葉にしのも僕も勇気付けられました。
僕もたいがい、不器用で頼りないのですが、しののネガティブな感情を見ることは嫌いじゃないんです。うちの場合は幸い、原因もはっきりわかっていますし、ふたりでぼちぼち頑張れると思います。
でも泣いたり怒ったりしているしのもかわい・・以下略
by くろすけ (2007-07-20 20:00)