お大事に [業務連絡]
くろすけ、
具合はどうですか?
さっき少し話したけれど、忘れないうちにメモ代わりに書いておきます。
頭痛がするのはもしかすると脱水症状を起こしているのかもしれません。
りんごジュースを同量の水で薄めて、200ccに対して、砂糖を小さじ一杯、塩をほんの少し入れてゆっくり飲んでください。
吐き気がして、めまいがするような場合は、しょうががいいです。ジンジャーエールでもいいです。梅干とすりおろしたしょうがをお湯に入れて飲むのが結構効きます。
だいすき。
しの
ひざまくら [触れる]
彼女と知り合ってはじめての週末に僕らは彼女の部屋でお酒を飲んだ。僕はうかれてバランタインを飲みすぎ、ぐでんぐでんに酔っぱらって彼女を押し倒して口説いた。結局その夜は押し倒して彼女にたくさんのあざを作ってしまっただけで(ごめんね;)それ以上の行為はできなかったんだけど。
押し倒しただけで重罪なんですがー・・・。
翌朝彼女の部屋のリビングで目を覚ましたときには僕は記憶の大部分を失っていた。
彼女が僕の様子を見に来て僕が寝ているソファベッドに腰を下ろした。
顔を上げると彼女のひざが目の前にある。
いまでも何故そうしたのかわからないけど、僕はごく自然にそのひざのうえに自分の頭を乗せていた。
それは素敵なひざまくらで僕だけの場所だってすぐにわかった。
それまで感じたことのないやすらぎがそこにはあった。
彼女の手が優しく僕の髪をそろえる。
僕は彼女がそこにいることを確かめるように彼女の輪郭をなぞる。
彼女はやわらかく僕を受け入れてくれる。
そのままソファの上で長い間抱き合った。
服を着たまま、彼女のやわらかな胸や張り詰めた乳首に触れたり、膣に浅く指をいれた。そこはすでに濡れて溢れていた。彼女はその間ときおり短く喘いで僕にしがみついていた。
そのときはふたりとも女性とつきあったことがなくて、お互いの気持ちもはっきりわからなくて、行為がそれ以上先へ進むことはなかった。(それ以上ってどうしたらいいかもわからなかったけど・・)。
いまでははじめから彼女のことが好きだったってはっきりわかるけど、その頃の僕は恋人と呼ぶべき相手(みんな男性でした)はいても好きという感情を感じたことがなくて、そのときの感情がどういうものなのかわからず、行為の意味もわからないままで彼女を傷つけてしまった。
それでもとにかく、そのときのひざまくらは彼女が特別だっていうことを僕に教えてくれた。
僕がはじめてひとを好きだって感じた瞬間だった。
そのときはその感情をどういえばいいかわからなかったけど・・。
**********************
わからなかった。なんにも。
でもね、本当はあの朝、たたき出そうと思っていた。そして、できなかった。ひざの上のくろすけの顔を見て。安心しきって。たどりつくべき場所にたどりつき、いるべき場所を見つけた穏やかさがあった。
・・・それで、訂正。
くろすけ、いい? あれは、わたしのバランタイン。
↑ここの所有格に注目。
4分の3も飲んだ。ゆるせん・・・。
しの
彼女のわがまま [ちょっとまじめに]
彼女はわがままをあまり口にしない。
欲求がないわけじゃないしそれがみたされなくて不機嫌にならないわけでもない。注意。
「なんでもするからなんでもいって」
知り合ったばかりの頃、彼女は彼女の事情で僕たちが一緒にいられないことに罪悪感を感じていて、口癖のようにそう言ってきた。僕は彼女の事情をはじめから知っていたから、むしろ今の状況は僕に責任があると思っていて別に彼女が後ろめたく思う必要はなかったし、なにかをして欲しいから一緒にいると思われるのがイヤだった。
それで僕はしばしば「しののわがままが聞きたいよ」って答えた。
その要求がかなえられることはあまりなかったんだけど。
僕の誕生日に彼女はひとつわがままをいってくれた。
くろすけの部屋に泊めて。たくさん抱いて。
ああ、こんなに惚気ててごめんなさい。<誰に?
書いててへにゃへにゃってなってしまう。
でもたくさんはいっつも抱いてるんだけどなー・・。
彼女のいう僕の部屋は逃避の象徴だったんだけどね・・。その頃僕たちはずっと彼女の部屋で会っていて、彼女にはそこを離れられない事情があった。いろんな事情がたくさんあった。
「わがまま」っていいかたが難しい。
欲求と要求の違いとか。実現可能性とか。
相手が受け止めてくれなかったらどうしようとか。
欲求は人と付き合っていたら自然に生じるもので、それを相手にして欲しいって求めるのが要求だと思う。
はじめの頃は僕も彼女も相手に何か要求するということはしてはいけないことだと思っていて、お互い無意識的にそういうことをしないようにコントロールしていた。と思う。
いまでは、どちらもお互いだけは例外でしてほしいことがあったら言うべきだって思っている。お互いが特別なんだって確認する行為として。
もともと僕は相手に何かしてくれることを期待することがないので(昔はあったんだけど気がついたらなくなっていた)「わがままをいう」ということにたいしてとてもタフだ。それに対して彼女は相手に何かしてくれることを期待してはいけないと自制していて、だから「わがままをいう」ためにはそれを乗り越えなくてはいけないので大変そう。そういう意味で僕たちにとってこの愛情表現はあんまりフェアじゃないんだよね。
まあ、お互い無理のない範囲でね・・。
いまは僕の方がわがままの言い方がうまくて受け止めるのは彼女の方がうまいので多くの場合そういう役割分担になってます。たまーに彼女がわがままをいっても僕がそれに気付かなくて彼女が泣き出したり・・汗。
**************
むずかしい。ほんとにそう思う。
であったはじめのころは、いつまで一緒にいることができるのか、それからどうなるのか、まったくわからなくて。ほんとにたくさん事情があった。やらないといけないこと、逃げることができない現実。そこで行われていたことは、誰にも手伝ってもらえないことで。ひとりで最後までやり遂げるしか選択肢がなくて。
ほかの人を巻き込みたくなかった。とくにくろすけを。あの暗い毎日に。
だから、よけいにわがままがいえなくて。くろすけの気持ちもどこにあるのか分からなくて。切なくて。
わがままを言ってほしいよって言われても、冗談にするくらいしかできなくて。
「じゃあ、カモノハシを買って」
なんてね。
半分本気だけど。ほしい。カモノハシ。記号の隙間にもぐりこむいのち。
そのとき、くろすけが本当に悲しい顔をした。冗談にすることで傷つけてしまったと、動揺してしまって。
とんでもないわがままを口走っってしまった(↑のじゃなくてね)。
それがね、今でも、たぶん、一番言いたいわがまま。とんでもないし、本当は口にしてはいけないことだとわかっていたけど。わかっているけど。
わがままを聞いてくれるんだったら、それを聞いてほしい。
それ以外はなんにもいらない。
・・・と、いいつつ、なきますが。スマヌ・・・。
しの
**************
聞いてるよ。
ずっと。これからも。
でもほかのわがままも聞いてあげたい。
・・・なかなかうまくできないのですが。ゴメン。
わかってるよ? [好き]
それはね、わかってるよ。でも、ときどき不安になる。
だって、あまりにもあまりにも過剰評価していませんか? 近くにいれないぶん、どんどん想像の部分が増えちゃうようで。そんなにたいした人間じゃないです。
くろすけが不機嫌になっているときが好き。むすーっとして、不機嫌さを精一杯にアピールしてる時。
機嫌が悪いんだからね。
ご機嫌とったってだめだからね。
でも、冷たくしたらもっともっと機嫌が悪くなっちゃうぞ。
そんな感じで。
それで、困りながらやさしくしてると、
ごめん、困らせて。
でもうれしー。
もうちょっと不機嫌でいようかな。
みたいな表情もね。
そんな風にわがままをぶつけてくるのはわたしだけだもんね。
近くにいれれば、そんな表情もいつでもみれるのに・・・。
しの
僕の嗜好性と彼女の魅力 [好き]
僕と彼女の紹介をかねているとはいえ、いきなりケンカのはなしじゃよくない?(汗)
「私がたまたま好みだっただけでくろすけは私じゃなくてもいいんだよ」
ってよく彼女がいう。
確かに僕は
知的な女性が好きで
気の強い女性が好きで
年上の女性が好きだし
やせすぎよりはふとめの女性が好きだし
嗜虐性があるんだけど
それで彼女は
とっても知性があって凛としていて年上だけどかわいくてかわいくて
さわりごこちもすごくよくて(でもふとってるわけじゃない)
肌がしろくて恥ずかしがりやで
いじめるとすごくかわいい顔をするんだけど
・・・だけどそれだけじゃないってどういえばいいのかいつも四苦八苦。
僕は彼女にわがまま放題で
彼女は一生懸命それをうけいれてくれる。
だけど、僕がわがままをいいたいひとなんて彼女だけしかいなくて<て
彼女が受け入れてくれるからわがままをいいたいわけじゃないんだよね。
・・・彼女もちゃんとわかってくれてるんだけどね・・。ね・・・?