シャガールの恋人達 [好き]
こっちに帰ってきて涼しくなったとたんにたくさん記事を書いている、とくろすけに笑われているしのです。でも、まあ、わすれないうちに。
くろすけと会うきっかけを作ってくれた人のお墓参りに行きました。はじめは、夜中にバイクで横浜まで移動してラブホテルにでも泊まって、朝一番にお墓参りして帰ってくるか、とか言っていました。でも、それも疲れそうだしね…ということで、朝早くに電車で移動することにしました。それでも、結局ラッシュを避けようとか言っているうちに遅くなってしまったんですが。
渋谷から中華街行きの特急にうまく座ることができました。ちょうどわたしたちの前に「青春のロシア・アバンギャルド展」の広告が。それで、シャガールの絵の話になりました。
「シャガールの恋人の絵っていいよね~」
「うん。エッフェル塔の前を飛んでるのとかね」
それで、わたしが特に好きなシャガールの絵のことを話していました。まだシャガールがロシアにいたころの絵で、全体的におさえた緑色と灰色の色調で、キュビスムの影響があるものの後期のもののようにデフォルメがすすんでいない絵です。
「シャガールの初恋の人、ベラを描いたものらしいんだけどね~」
「へー」
「その絵さー、本当にいいんだよ。恋人達だけじゃなくてね、細かいディーテールがものすごくいいの」
「そうなの?」
「うん。後期のものみたいに背景にいろんな動物とかを書き込んでるんじゃなくて、村の遠景を描いていて灰色の板塀があってね」
「うん」
「その板塀の前でね…」
「板塀の前で?」
「おじさんがうんこをしてるんだよ」
くろすけ、絶句。
「すごく小さいんだけどさ、しゃがんでるとか座ってるとかじゃなくて、完全無欠の脱糞姿なんだよ! もうさー、それを見た瞬間、本当にシャガールが好きだって思ったよ」
「…」
くろすけ、無言。
もちろんわたしのくろすけですから、わたしのうんこ発言に引いているわけではありません。その証拠(?)にくろすけは言いました。
「じゃあ、お墓参りの帰りに渋谷の文化村に行こう!」
残念ながら、展覧会に件のシャガールの絵はありませんでした。でも、ベラの肖像画があって、シャガールはこの人のことが本当に好きだったんだな…と思いました。こんなふうに自分の愛した人を永遠に残すことができるなんて、芸術家がうらやましい。わたしもくろすけに時間性を持たず永遠に昇華しつづけるフーガをプレゼントしたいものです。
…って、結局、細部にはうんこをしてる人を描いちゃうと思うんですけどね(笑)。
この後、文化村美術館の本屋さんでシャガールの画集を片っ端から見てこの絵を探した二人です。わたしはシャガールの回顧展で見て本当に感動した絵です。でも、あまり有名な絵じゃないのかな? なかなか見つかりませんでした。それでもやっと見つけてくろすけに見せたら、くろすけは本当に満足をしていました。
ごらんになりたい方は
マルク・シャガール 街の上で (1914-18) トレチャコフ美術館蔵
で検索してみてください。本当にいい絵です。
ここの画像が大きくていいかも。
くろすけと会うきっかけを作ってくれた人のお墓参りに行きました。はじめは、夜中にバイクで横浜まで移動してラブホテルにでも泊まって、朝一番にお墓参りして帰ってくるか、とか言っていました。でも、それも疲れそうだしね…ということで、朝早くに電車で移動することにしました。それでも、結局ラッシュを避けようとか言っているうちに遅くなってしまったんですが。
渋谷から中華街行きの特急にうまく座ることができました。ちょうどわたしたちの前に「青春のロシア・アバンギャルド展」の広告が。それで、シャガールの絵の話になりました。
「シャガールの恋人の絵っていいよね~」
「うん。エッフェル塔の前を飛んでるのとかね」
それで、わたしが特に好きなシャガールの絵のことを話していました。まだシャガールがロシアにいたころの絵で、全体的におさえた緑色と灰色の色調で、キュビスムの影響があるものの後期のもののようにデフォルメがすすんでいない絵です。
「シャガールの初恋の人、ベラを描いたものらしいんだけどね~」
「へー」
「その絵さー、本当にいいんだよ。恋人達だけじゃなくてね、細かいディーテールがものすごくいいの」
「そうなの?」
「うん。後期のものみたいに背景にいろんな動物とかを書き込んでるんじゃなくて、村の遠景を描いていて灰色の板塀があってね」
「うん」
「その板塀の前でね…」
「板塀の前で?」
「おじさんがうんこをしてるんだよ」
くろすけ、絶句。
「すごく小さいんだけどさ、しゃがんでるとか座ってるとかじゃなくて、完全無欠の脱糞姿なんだよ! もうさー、それを見た瞬間、本当にシャガールが好きだって思ったよ」
「…」
くろすけ、無言。
もちろんわたしのくろすけですから、わたしのうんこ発言に引いているわけではありません。その証拠(?)にくろすけは言いました。
「じゃあ、お墓参りの帰りに渋谷の文化村に行こう!」
残念ながら、展覧会に件のシャガールの絵はありませんでした。でも、ベラの肖像画があって、シャガールはこの人のことが本当に好きだったんだな…と思いました。こんなふうに自分の愛した人を永遠に残すことができるなんて、芸術家がうらやましい。わたしもくろすけに時間性を持たず永遠に昇華しつづけるフーガをプレゼントしたいものです。
…って、結局、細部にはうんこをしてる人を描いちゃうと思うんですけどね(笑)。
この後、文化村美術館の本屋さんでシャガールの画集を片っ端から見てこの絵を探した二人です。わたしはシャガールの回顧展で見て本当に感動した絵です。でも、あまり有名な絵じゃないのかな? なかなか見つかりませんでした。それでもやっと見つけてくろすけに見せたら、くろすけは本当に満足をしていました。
ごらんになりたい方は
マルク・シャガール 街の上で (1914-18) トレチャコフ美術館蔵
で検索してみてください。本当にいい絵です。
ここの画像が大きくていいかも。
コピーのシャガール壁に~って、稲垣潤一としののウンチの話が頭で競合して困ってました。笑
ネコとウンチは好きじゃないと、しのの恋人はつとまらないよねー。
by くろすけ (2008-07-22 20:55)
ウンチじゃなくて、うんこ!
熱心に絵の話をしてたら、隣のおじさんが席を立っちゃってね~。
ひそかに傷ついたよ(笑)。
by しの (2008-07-22 20:58)
そうそう、「脱糞」ってしのが叫んだとたんに席を立っちゃってね。笑
by くろすけ (2008-07-22 20:59)
…
by しの (2008-07-22 21:00)
マジですかー!!!
うんこしているおじさんがいるのですかーーーー!!!
知らなかった・・・
大好きな美術館に大好きなシャガールの絵があります。
疲れたときに見ると腹にぐぐぐっと力が入ります。
http://sai-yu2.jugem.jp/?eid=291
うちの記事でスイマセン。
by yu (2008-07-22 22:34)
よりによって、なんでうんこなんでしょうね。
しかもおじさんって。
だれか特定の人を思って描いたんでしょうか。
些細なことなのに、いろいろ考えてしまいます。
by いるか (2008-07-23 10:31)
> yuさん
マジですよー。うんこですよー。
すごい。
爆発芸術です。天才だ。
ダビデ王の夢、いいですね。暖かくて親密で。
動物の言葉がわかるようになるダビデ王の指輪。
欲しいような欲しくないような気がします…。
うちの猫の文句を人間語では聞きたくないような…。笑。
by しの (2008-07-23 20:32)
> いるかさん
わたしはなんとなくシャガールがうんこを描いた気持ちがわかります…。
この絵は、確か、シャガールの初恋の最愛の人ベラから
誕生日に花をもらってうれしくてたまらなかった気持ちを表していたのだと思います。違ってるかも…。
しかし、このおじさんはいったいだれなんでしょうね。
モデルがいるのかどうか気になるところです。ほんと。笑。
by しの (2008-07-23 20:34)
きっとシャガールにとっては恋人を好きなことがほんとに当たり前で、当たり前に普通の風景で、普通の風景だから
‥遠くではおじさんがうんこをしていたり‥
‥違うな。
リンク先、必ず見てみます!
by ERI (2008-07-23 20:48)
> ERIさん
ERIさんのおっしゃるとおりだと思います!
うんこをしている人もいれば、浮かれている恋人もいる日常。
いいですね。うん。
by しの (2008-07-23 21:53)