まつりばやし [追想]
喫茶店で仕事してたけど、だんだん妄想がとまらなくなって仕事にならなくなったので帰ってきた。笑
今日も近所で夏祭りをやってるよ。たこ焼き買ってきた。しのにも食べさせてあげたいな。
なんかね、一個400円だけど2個500円です、って、なんじゃそりゃーっていう値段をふっかけ?られたんだけど、でも一人暮らしだし・・・と思って、
うーん、うーん・・・
・・・・・・
・・・一個で・・
っていったんだけど、言ったあとに、やっぱり2個で500円はお得だよなー・・、うーん・・うーーん・・・
・・・やっぱり二個ください・・
っていって二個買ってきた。笑
まあ、死ぬほどたこ焼き食べるのも幸せかなって。<いま食べてる・笑
お好み焼きも、焼きそばも、いか焼きも、おえかきせんべいもあったよ。
焼き鳥も。
しのがいたら食い倒れツアーだったな。
湯島天神の梅を見に行ったときに、屋台をみながらふたりでそわそわしたこととか(甘酒と梅干屋さんしか開いてなくて幸いだったよね。しっかり両方買ってるし。笑)、太鼓の音が聞こえてきたときのしのの興奮具合が思い出されて、にやにやお店をながめてきた。
街でも海でもどこでも [追想]
僕の後ろに乗りなよ。
岬へ行こう。
猫がたくさんいるんだ。
きっとしのは気に入る。
僕にしがみついて
手をはなしたらだめだよ。
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今日は雨が降ってる。
一年前の今頃、僕は炎天下でバイクを洗っていた。
しのに会ってから一年が経つね。
ころころかわるしのの表情に
僕ははじめからみとれていたよ。
声が聞こえる。 [追想]
はじめてくろすけと話したのは電話だった。
声を聞いてすぐにくろすけだってわかった。
ちょっとテレながら、名前を言うくろすけの声が好きだと思った。
離れていて、くろすけの声がききたい、ききたい、と思い続けていた。
携帯電話にメッセージくらい残していてくれたら、それが聞けるのに。
くろすけはメッセージも残したことがなかったから。
夢の中で、くろすけの声を三半規管のおくから取り出そうとしている。
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でも、今日、新しい方法を見つけたね。うれしい。
テレながら、話すことがない、とか言ってるくろすけの声
何度でも聞けるんだ・・・。
それから、だいすきってメッセージが残せる。うれしい。
同じように思っているのってとっても幸せ。
これをしたら負担になるんじゃないかとか、
こんなことをしたら追いかけられてるように感じるんじゃないかとか、
束縛しているって思われたらどうしようとか、
そんなことを心配しなくてもいいから。
だから、たくさん、だいすき、って言える。
しの
まちあわせ [追想]
待ち合わせ場所では彼女が新聞を読んでいた。
僕は隣に腰掛けて新聞を覗き込む。
白いTシャツに蒼く透き通ったイヤリング。
レモンスカッシュ。
ころころと転がる彼女の声。
今日は結構な日差しの強さだったよ。
日差しの白さのなかにもしのの姿を探している。
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はやく状況が落ち着くといいね。
あまり話せないので僕もとってもさみしくなってる。
愛してるよ。
猫がいたね。 [追想]
あの時、本当に切なかった。
其処此処でひぐらしがないていた。潮騒みたいに。
でも、暑くてね。とっても暑くて。北の国に住んでるわたしはふらふらになっていて。
汗だらけで、ちょっとうっとうしい感じで。
それで、顔でも洗おうって水道に行ったら、猫が蛇口のところに座っててね。
哲学的な顔をして、難しいことを考えてるみたい。
手のひらから水を飲んだね。
茂みの中で猫の親子が誰かがくれるえさを食べていたね。
かわいい子猫でさ。
抱っこしたいな・・・って思って、気がついたら子猫を抱いていた。
かわいいねってくろすけに言っても、なんにも返事してくれなくてさ。
抱きたい? なでたい?って聞いても、
なんにも言わなくて。
眼を丸くして、起きている事態が把握できないって感じで
口を開けたり閉めたりしてるくろすけがだいすきだと思った。
親猫が一生懸命に子猫を返してって頼むので、
ごめんねって謝って子猫を返した。
それから元町に向けて急な坂を下りていった。
夕暮れの空気の蒼さが胸を染めた。
一歩一歩、歩くたびに一緒にいた時間が長くなる。
一歩一歩、歩くたびに一緒にいれる時間が短くなる。
せつなくて。
せつなくて。
せつなくて。
くろすけの澄んだ瞳のなかだけ時間が止まってるみたいだった。
その中にずっといたいと思った。
そのとき、くろすけがしてくれたキス。
蝉時雨は、もう、やんでいたね。
しの
あれがあなたの好きな場所 [追想]
彼女が国へ帰る少し前に
港の見える丘公園でデートをした。
飛行機雲が水平に流れていって
それをみていると
そのまま永遠に時が止まるような気がした。
彼女と出会ったばかりの頃は
明日にも彼女がいなくなってしまいそうで
いつも刹那的な気持ちで
その一方でその状態には永久に終わりがないようにも感じていた。
ちょうど、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の主人公が時間を分割して分割して永遠に飲み込まれてしまうような感じかな。
蝉時雨が周期的に僕と彼女の間を行き来する。