わたしを抱くときくろすけは冷静で、余裕しゃくしゃく。
ちょっと意地悪にやさしく笑いながら
耳にいろいろとささやいてくる。
でも、ときどき、くろすけも余裕をなくしている・・・ことがあるのを知っている。
知っている・・・記憶に残っている・・・?
どちらも正確じゃないな・・・。
息もつけずに翻弄されたあと
記憶の空白と
淡く甘い余韻がくろすけがそうだった・・・とあとになってから語ることを許している。
覚えていることができないその時間を
呪術のように呼び返してみよう・・・と
深く夜に沈んで、静かにひとり、脚を開く。
しの