贅沢な悩み [好き]
くろすけはかっこいい。
それに対してわたしは「かわいい」といわれる。それはもちろん、まったくなんにも言われないよりは、かわいいといわれたほうがうれしいに違いないんだけれど。
でも、わたしはかっこいい、というか、ハンサムな女の人になりたいのですよ。たとえばヘレン・ミレンみたいな。背筋が伸びていて、口元のしわも魅力的な大人のハンサムな女性。男性的とかボーイッシュじゃなくて、女性としてのハンサムさ。人間としてきちんと一人の足で立っているかっこよさ。
なのに、いつまでたってもわたしに対するほめ言葉は「かわいい」。かっこいいなんて絶対にいわれないし、美人といわれることもない。
わたしは、大工仕事はたいていのことはさくさくできるし、野宿をして一人で旅をしていたこともあるし、無人島に一人でたどり着いてもなんとかサバイバルができるくらいのスキルはある。
なのに、かわいいといわれて、頼りないと思われやすい。若くて経験が足りないと見られやすい。
この前なんか、ちょっと遅くに二人で町を歩いていたら息子から、
「一緒に歩いてたら、お母さんが僕の姉ちゃんに間違えられて補導されちゃうよ」
とまでいわれてしまった。
若く見えるのはうらやましがられることだとはわかってるし、かわいいっていわれたい人はたくさんいるのは知ってる。だから、贅沢な悩みだと思う。でもでも。若く見られて、かわいいといわれると、その中になんとなく下に見られているようなニュアンスを感じちゃうんだよね・・・。一人じゃなんにもできないでしょっていわれてるみたいな。
それがね・・・気に食わないんだよね・・・。贅沢なんだけどさ・・・。